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2015年6月28日 (日)

留学生への言葉

生徒の中には、将来留学したいという生徒が思いのほか多くて、英語を教える身としては、頼もしいやら嬉しいやらである。留学の相談があれば喜んで受ける。やはり体験した者にしか語れないことがある。行ってもいないのに、効果ないだの意味ないだのと決めつけるのはやめてほしいし、一方で「ウルルン滞在記」のような感動をはなから期待するのも見当違いな気がする。

実際の留学は、テレビや本で紹介されるような脚色されたものとは異なるし、机上では予想だにしなかった感動もあれば、頭の中で思い描く理想とはかけ離れた生々しい問題に触れることもある。結局、行ってみなければ分からないし、留学を生かすも殺すも本人次第になる。

留学生の中には、当初は英語習得や大学進学などの目標を掲げていても、いつの間にやら「現実逃避」や「自分探し」になってしまったり、旅行の延長上みたいな感じや異文化交流だけを楽しんで終わってしまったりする者も多い。以下の文章は、そうなってしまった留学生の友人を叱咤激励しようとして書いたものである。ひどく偉そうなことを言っているが、友人への言葉を通して、自分自身そうならないように楔を刺したかったのだと思う。

-カナダに留学する目的は、人それぞれである。例えば、使える英語を学びたい人、MBAの取得を目指す人、TESOL(英語教師育成コース)を受講してスキルの向上を図る人など様々だ。しかし、どの目的達成にも欠かせないのは、純粋に言語としての英語を習得することである。それは決して容易なことではない。それなりの時間と労力そして何より忍耐を必要とする。

もし、留学をはじめて半年で、私はペラペラよと思っている人がいたら、それは単に自惚れ強いか、目的達成の壁を低く設定しているだけである。他人が感心してくれたとしても、自分の英語はまだまだと言うのが、本来あるべき留学生の姿であろう。

真のバイリンガルの道は決して楽ではない。楽しく学ぶにこしたことはないが、それが「真剣に」英語を学ぶこと、自分を見つめることの言い訳や逃げ道になっていないだろうか。たとえ甘えられる環境であっても、常に厳しく自分の英語を評価しては、自らを律し奮起することが大事ではなかろうか。

異文化に触れること、友人を見つけること、一生の思い出を作ることなど、美しく響く目標や、陶酔させるに十分な目的が留学にはいくつもある。しかし、それらは習得過程に得られる副産物であって、ここに来た本来の目的ではないはず。友人を作ることは大切だし、週末に飲みに行くのも大切かもしれない。しかし、常に本来の目的に焦点を置き、それを中心に留学生活をおくるべきだ。決して安くない投資を自分にしているわけだから、それなりの断固とした決意、態度を持っていたい。

日本人は恵まれている。才能に恵まれていなくても、世界的には裕福だから、留学という夢をかなえることができる。しかし世界には才能に恵まれているにもかかわらず、社会的、経済的ハンデから留学の夢をかなえられない人間が五万といる。実際に知り合ったメキシコ、ブラジル、サウジアラビア、中国などからの留学生は、比較的裕福な家庭の出身者だ。

もう一度言うが、日本人はものすごく恵まれている。世の中には留学したくてもできない若者が大勢いる。貧しい国で枯れていく才能たちを憂い、と同時に、自分の恵まれた境遇に感謝すること。決して本来の目的を思い出作りにすり替えることなく、初志貫徹で頑張って欲しい。厳しく真剣に取り組む中でこそ、真の友人はおのずと見つかり、かけがえのない思い出は作られていくものなのだから。

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