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2015年8月 5日 (水)

単語の試験

単語のテストを覚えてこないのは、当塾では御法度である。

まず、第二言語として言語を習得する際には、母語のように生活の中で自然に身につけるのは不可能であるから、意識的に増やさなければならない。特に中学生は、学校で習う程度では足りないので、個人的に増やす必要がある。高校に入ってから苦労しないためにも、十分な語彙を早めに得ておきたい。10代は人生において最も記憶力の良い時期なので、遠慮せずにどんどん覚えればよいのである。

当塾の新入生の多くは、最初の単語テストで自分の語彙力のなさに驚くはずだ。テスト範囲のプリントを渡していないので当然と言えば当然であるが、とりたてて難しい語彙ばかりを集めて試験しているわけではない。あらかじめ獲得しておくべき基本的な語も多く混じっている。つまり、日本の中高生の語彙力は総じて低いのである。

読解をおこなう際も、辞書の使用は許可しないので、読めないことの一因として語彙不足を痛感するかもしれない。「単語が分からなくても周りの文脈から判断すればいい」とよく言われるが、それは98%の語彙が分かっていて、残り2%程度の語彙が分からぬ場合の話だ。分からぬ単語が5%を越えるとこれは難しくなる。周りから類推しようにも、周りの語も分からないのならどうしようもない。

一周目は、意味とアクセントだけで良いが、徐々に発音や使用場面、使用法、類義語などをおさえていくようにしたい。そうすることで、アルファベットの無機質な配列に過ぎなかったものから、それぞれの単語の個性が見えてくるようになる。また、英作に使用する語彙、読解で必要な語彙、会話で使える語彙というように色分けができるようになる。高校3年間をかけて、ここまで到達できれば大したものだ。

中学生には、混乱すると困るので、語源的な説明や細かな使用法などは教えていない。現在、中2生は準2級が範囲だが、将来的に英作文で使えるようにしておくため、意味ではなく「書き」の試験にしている。一方で、高校生からは、読解用の難解な語彙が並ぶので、「書き」ではなく意味とアクセントの試験になる。覚えてくる単語数は、中学生が毎回50個、高校生が100個である。

何周もするたびに、前の記憶が呼び起こされて、覚えるのにかかる時間は短縮されていく。最初は1~2時間かかっていたものが、直前に5分ほど目を通すだけで対処できるようになる。入試直前には、全ての範囲が頭に入っていなければならないのは言うまでもない。いつも新入生に言いたいのは、授業前の30分くらい眺めて覚えるのは不可能なので、覚悟を決めて(腹を据えて)、手間と時間をかけることである。

慣れてきた生徒も、「8割くらい採れば、文句を言われない」という妥協があるならば捨てることである。一切の妥協なく、全てを取りこぼしなく覚えようとすること。その積み重ねと意志こそが、記憶の定着をより確実なものにする。

語彙を増やすことに才能はいらない。ひたすら努力である。その努力ができないことに言い訳をするようなら終わりである。努力することでも負けてしまったら、本当に才能ある人間にどう立ち向かうのか。これから大学入試を迎えるにも、社会人になるにも、これくらいの暗記で音をあげては先行きは暗い。ぜひ、これしきのことは乗り越えてほしい。

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