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2016年1月29日 (金)

インフルエンツァ

12月半ばの日曜日、突如、授業中に吐き気に襲われて、授業の途中で奥さんに代講してもらった。結果的にはインフルエンザではなく、薬を飲んで一晩ぐっすり寝たらよくなった。その時の生徒には申し訳なかったが、その後「奥さんの授業は楽しかった」と言われると、何となく複雑な気分になった。皆さんも寒さの厳しいこの時期、体調を崩さぬよう気をつけて欲しい。
 
その時の風邪で気づいたことがある。これまでは、少しぐらい苦くても、早く効くように吸収の早い細粒タイプの薬を飲んでいた。しかしながら、じわじわ溶ける錠剤とは違って、細粒は一気に吸収するので胃への負担が大きいということである。そのために、ただでさえ弱っていた胃に極度の負担がかかり、その後は嘔吐の連続だった。英語の習得においては、繰り返しは大切なのだが、さすがにここまで嘔吐を繰り返しても(出るものはあっても)得るものはなかった。ただひたすら苦しいだけである。

嘔吐は英語で"vomit"と言う。"vo"は「口」のことで、たとえば"vocal" "voice"などを考えてくれればよい。"mit"は「送る」という意味である。なので"vomit"の語源はすぐに理解できるはずだ。ちなみに、
「吐き気」は"nausea(ノーズィア)"という。よく見ると後方に"sea"「海」とあるように、もともとは「船酔い」を指していた。 

口語では"vomit"「嘔吐」を"throw-up"とも言うのだが、カナダでインフルエンザにかかり、クリニックで"throw-up"を使うと、こういう場では"vomit"を使いなさいと医師に訂正された恥ずかしい思い出がある。後に"throw-up"はインフォーマルな表現で「嘔吐」というよりは「ゲロ」に近いということが分かった。

英語の"influenza"は、普段の生活では略して"flu"という。この語の発音は、「フと後ろにアクセントを置いて、語尾を少し伸ばすように言うのだが、カナダで過ごす初めての冬、まだまだ知らないことだらけの私は、前方にアクセントを置いて「ル」と言っていた。その結果、"full"「満腹です」になってしまい、悲痛な面持ちで、かなりシュールなジョークを言っていたわけである。

カナダのインフルエンザは日本のものとはニュアンスが異なって、単純に「きつめの風邪」「高熱を伴う風邪」の意味で使われる。日本のように検査を受けて陽性ならばというものではなく、医者にかからずとも本人の主観で「風邪と表現するには苦し過ぎる」というときには「インフルエンザ」となる。その線引きはかなり曖昧で、酷くいいかげんだった。

よって、インフルエンザに罹っても仕事や学校を休まなければならないという決まりはない。
日本のように予防のためにマスクを着用する習慣もなければ、メディアで頻繁に流行の有無を取り上げるほど過敏でもない。一つには満員電車など人と人との距離が極めて近い日本とは違い、広い国土に象徴されるように、カナダではパーソナル・スペースに余裕があるので、そこまで感染の恐れを感じない。また、(真偽のほどは不明だが)そもそもマイナス40℃を越える過酷な冬場にあっては、ウイルスや菌は生きていられないらしい。

去年も今年も、インフルエンザは流行していない。眠れる獅子はこのまま眠ったままなのだろうか。influenzaは元々イタリア語であり、発音は「インフルエンツァ」だったらしい
。そういえば、どことなく語尾がpizza(ピッツア)みたいで美味しそうである。あんなに嘔吐を繰り返していたのに、今や頭の中はpizzaのことでいっぱいである。人間というのは、かく卑しくもあり逞しくもあるものだろうか。

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