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2016年2月24日 (水)

努力持参で

「運があれば・・・」と嘆くとき、足りなかったのは運ではなく、むしろ努力であることが多い。常日頃そう思っていながらも、バレンタインデーにラッキー・チャームのチョコをもらって、運気が上がると喜んでいる自分がいる。受験シーズンも終盤、結果も少しずつ上がってきた。また近々ホームページやブログで公表しようと思う。一方で、3者面談もけっこう進み、現状や課題を報告したり、受験について確認しておきたいことなどを尋ねたりしている。重い腰を上げてもらうためにも、この面談は重要だと考えている。特に受験生は、程度の差こそあれ、「順調です」という生徒は一人もいない。

東京に来て、「最低MARCH」という言葉を生徒や保護者からよく耳にする。日本人がいかに語呂合わせの天才であるかはさておき、学歴社会に翻弄される宿命の日本人にとって、一つのボーダーラインとなるのが、この「MARCH」である。学歴至上主義といったものを肯定しようとは思わないが、残念ながら日本に生まれ育った以上は、(どれだけ不味くても)その水を飲まなくては生きていけないわけである。

カナダの場合、私立大学はなく、全て国公立大学である。よって日本のように、入学に際して過度の競争は起きない。競争が起きるのは、むしろ入学した後である。ぬるま湯につかるような怠慢な授業は少なく、積極的に参加することを否応なく迫られる授業ばかりで
あり、毎回、難易度の高い課題が膨大に課せられる。よって、放課後に友人と酒を酌み交わしている暇はなく、授業後はすぐさま図書館に向かって、次の授業の準備をしなければならない。私自身、カナダの大学の授業を舐めていて、痛い目にあった一人である。

MARCHや早慶上理の各大学に魅力があるかどうかはともかく、それらに合格することがそんなに難しいことだとは思わない。東大合格者が3000人、京大も3000人、旧帝国大学や他の難関国公立大学、それからもっと募集の多い難関私立大学、GMARCHや早慶上理、関関同立など、全てを合わせれば合格者は毎年8万人くらいにはなる。
およそ8万人が合格できる試験を難関とか狭き門とか言わない。よって、「才能がないから無理」みたいなことを、言いわけがましくぶつぶつ言うのは、非常に情けないのでやめるべきである。

オリンピックでメダルを獲ることや、明や清時代の科挙にでも受かろうというのならまだわかる。おそらく幼少期からの血の滲むような努力に加えて、才能にも恵まれていなければならず、最終的には天運のようなものにも左右されるだろう。
しかしながら、MARCHに合格するには、才能も天運もいらない。必要なのは努力である。それも血の滲まなくてもよい程度の標準的な努力である。

ある新聞に幼児英語教室の特集記事があったのだが、その中で「将来、苦労せずに英語を身につけられるようにしてあげたい」という保護者の言葉があった。その親の気持ちを理解できなくもないが、努力や苦労なくして英語は身につかない。それはピアノも野球も同じことである。それを回避する術を子どもに授けることばかりに捉われるのではなくて、どんな苦労にも臆せず、打開しようと努力のできる人間へと育むべきである。

努力をやめたら、英語は伸びなくなるどころか死んでしまう
。カナダで5年暮らした後、日本に戻ってから私の英語力はみるみる落ちていった。よく勘違いされるのだが、一度英語が話せるようになったら、その後も同じようにずっと話せるということは決してない。おそらく10年海外で暮らそうが、第二言語として習得した以上は、英語力の低下は避けられないのである。

私自身、英語力を維持しようと毎日必死である。日本語を話したがる奥さんを説得して、日常会話は英語だけを使うようにしたり、授業前に1時間一人ぶつぶつとシャード―イングをしたりしている。多摩中央公園の鴨のように、涼しい顔をしていても、水面下では足をバタつかせて必死にもがいているのである。高校の
英語教師であろうが、英検1級やTOEICで満点を獲っていようが、留学経験があろうが関係ない。しばらく放置すると、ほぼ例外なく英語力は落ちていく。それはもう見事なまでに落ちていくのである。

この時期、新入生を募集しているが、現在通っている高校や中学の名前はどうでもよい。むしろ、その名前に(良い意味でも、悪い意味でも)裏切られることのほうが多い気さえする。現状の学力は低くても全然かまわない、それよりも、これから努力ができるという生徒にぜひきてほしい。持参物は「努力」、それだけで十分である。

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