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2016年3月 7日 (月)

中3の受験生

当塾の中3生が立川高校に合格した。その電話の声は弾んでいて、希望と喜びに満ちていた。「おめでとう、よかったね」と言った後、「むしろ、これからが大変なんだよ」という言葉が喉まで出かかったが、なにも今、水を差すことはあるまいとぐっと飲み込んだ。危うくKY(空気読めない)な人間になるところだった。ちなみに「空気が読めない」に相当する慣用表現は英語にはない。a party pooper(パーティーでウンコする人→楽しい場をぶち壊す人)というイディオムもあるのだが、たとえが下品すぎるのでなんかイヤである。

彼が入塾したのは受験の半年前で、「英語を何とかしたい」とお母さんに連れられてやってきた。体験授業では、語彙不足をはじめ、文法も読解も散々だったのを覚えている。ただ真面目で積極的な姿勢と、説明に対する理解の速さ、
お母さんが「頑張っているのに伸びない」と仰っていたことなどから、努力が正しい方向に向かえば英語は飛躍的に伸びると思った。中3のクラスもあったが、受験に間に合わせるために、敢えてこちらから1:1で指導することを申し出た。

別の進学塾にも通っていたが、(他の教科はともかく)英語は何をどう指導されているのか、というくらいに酷かった。彼に対してというよりは、むしろその塾の英語講師に対して腹が立った。能力のある若者が潰されていくのは、なにも貧しい発展途上国に限った話ではなかったわけである。それは他人事ではなく、私自身も生徒を潰してしまう立場にいる。そのような教師にならないように、常に気をつけていなければならない。

まずは重症な語彙不足を解消すべく、毎回100個の単語とイディオムを覚えてくることを課した。その半年間で、単語集は5、6周繰り返した。文法は宿題で解いてきてもらい、授業中に解答解説をした。通年用のテキストが3か月程で終わってしまった。読解は準2級レベルのものを毎回解いては、すぐ口頭で訳してもらうことを繰り返した。
特別な何かを施したわけでもなく、英語の筋トレみたいなものを淡々と、通常の2倍の量と速度でこなしたに過ぎない。

しばらくすると、英語に対する苦手意識は消えていった。厄介な箇所や苦手な事項は多少時間をかけ、学校や他塾で得たであろう間違った(胡散臭い)知識があれば訂正していった。やがて、英検準2級にも合格し、英語に対して確かな手ごたえと自信を獲得していった
。中学生は、内容が簡単だからというのもあるが、時機を得たときの伸長率には目を見張るものがある。もちろん彼自身の頑張りがあっての成長であり、合格の主な要因がその努力であることは言うまでもない。

世間一般の新高1生よりは、これから先の高校英語を習得するにあたって、よい土壌ができた気はする。ただ、懸念材料はある。半年という限られた期間の中で応急処置的な部分も多く、特に語彙に関してはただ詰め込んだにすぎない。1つ1つの単語をしっかりと見てこなかった。発音やアクセントも疎かにしてきた。ライティングも入試に対応する程度のことしかやっていない。

また、入学後にモチベーションが低下する不安もある。「もう勉強はイヤだ」と燃え尽き症候群に陥ってしまうかもしれない。あるいは、これまでの鬱積した日々の反動で、「高校では部活動に専念し青春を謳歌する」と言い出すかもしれない。そうなるくらいなら、高校はどこでもよいので(むしろ落ちてもよいので)、高校の3年間にこそ勉強に心血を注いでほしい。高校受験にではなく、大学受験にピークを持っていかなければならない。

もちろん、世の中を見渡せば、彼のように努力が実を結んだ受験生ばかりではない。涙をのむ結果となり、絶望のどん底にいる受験生も少なからずいるだろう。ただ、そこで腐るのではなく、次に向かって早く歩き始めることである。高校受験よりもはるかに重要なターニングポイントが、今から3年後にやってくるのだから。

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コメント

受験のピークということであれば高校受かってからもっと頑張って欲しいところだけど、長い人生考えたら、どこがピークかなんてわからんのが難しいし、面白いよね。
でも語学学習に関して言えば、10代のうちにできるだけたくさん語彙を増やして欲しいよね。年取ってから新たに詰め込むのは一番しんどい箇所だし。
すごく熱心に、すごく真剣に授業しているのほんとすごいなあ。

河田くん

お久しぶり。河田くんのコメントを見るとほっとします。
モチベーションや能力は記録更新のように常に上塗りされていくのがベストなんだと思うけど難しいね。僕の場合、大学入試前が1つのピークでした。それから大学生のときは大幅に下がったね。それから留学中にもう一度ピークがやって来て、(英語だけは)記録を更新した気がします。

大学受験は、あらかじめ誰にでも分かっているターニングポイントだから備えることはできる。だから努力を怠らないでほしいし、そのチャンスを逃さないでほしいね。

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