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2017年5月 3日 (水)

たかが単語

引き続き単語について。極論を言えば、覚えてくれれば(=記憶に定着して使いたい時に使えるという状態であれば)どんな方法でも構わない。これも言い古したことだが、暗記とは才能やセンスのない人間でも努力で太刀打ちできるものである。私に言わせればそれは数少ない絶好のチャンスなのだが、その機会さえもサボろうとする人間がいる。

暗記とは己自身との精神的な戦いにほかならないのだが、最近では暗記することを避けて通ってきたのか覚え方が分からないと漏らす生徒が多い。私の学生時代、英語に関しては暗記を極めることが英語ができることであり、暗記を制すことが受験を制すことであった。英作文に至るまで例文暗記で対処しようとしていたのだから首を傾げたくもなるのだが、とにかく暗記することが正攻法というか受験英語の王道であった。そのおかげで暗記することには慣れたし、その後の人生でもそこまで暗記が苦ではなくなった。その当時の日本人の英語は今と変わらずからっきしダメだったが、その代わりに世界で最も暗記が得意な民族であった気がする。

前回のブログでも書いたように、1時間以上かけてそれぞれの単語の説明をする。語源や、語呂合わせや、些末な話や豆知識などは、無機質なアルファベットの羅列である単語に、なんとかして「個性」を見出してもらおうという意図がある。単語に個性を与えてやれば、定着しやすいのである。それを「この先生雑談が好きなんだな」とボケッーと聞いているようでは困る。

それでは具体的な覚え方についてだが、紙を眺めるだけは厳禁である。必ず紙に書くこと。ちらしの裏でも構わないが、大学ノートを使って冊数を積み上げていく方が達成感があってよい。また発音を確認しながら読む練習を数回重ねることも忘れないでほしい。発音のできない英語はもはや英語ではない。20年前ならいざ知らず、電子辞書やパソコン、スマホのアプリでも実際の音声で容易に確認することができる。特に高価な電子辞書を購入してもらった者はここで使わずしていつ使うのか。面倒くさがらず、一つ一つ調べること。

試験まで1週間の猶予があるとして、当日までどのように勉強を進めればよいかであるが、ずっと放置した挙句、授業の1時間前になってようやく手をつけるというのは最悪である。その場しのぎも甚だしい。それでも「切羽詰まらなければできない」、つまりは「切羽詰まったらできる」と言うのならまだわからなくもないのだが、毎度「
切羽詰まり、かつできない」ということを繰り返すのはギャンブル中毒のようで重症である。

当塾の(高校の)単語試験は13回で終わる。高2ならば一か月半、高1ならば3か月で一周するようになっている。1年間で高2なら8周し、高1なら4周する計算だ。高校の間延びした単語試験よりもはるかに回転率はよいのだが、これでもまだまだ足りない。塾のペースとはまた別に自分のペースを設けてやっていくことが望まれる。つまり
本人の意欲次第では、一か月もあれば当塾のプリントであれ市販の単語集であれ1周することは可能である。そもそも受験に範囲というものはないわけで、直前には全てのものが頭の中に入っていなければならない。とすれば、ちまちまやり続けている場合ではなく、徐々にペースを上げていかなければならないのは自明である。そこで、以下のやり方をぜひ参考にしてほしい。

1日目・・・100語をチェック。
2日目・・・昨日の100語の復習+新しい100語
3日目・・・過去2日間の200語を復習+新しい100語
4日目・・・過去2日間の200語を復習+新しい100語
以下同じ要領で1日に300個ずつチェックする。

進学校の生徒はこれくらいのことを平然とこなしている。学校の「やらない方がましな超スローペース」や周りの友人の「勉強するのはイケてない」や「勉強よりも大事なことがある」みたいな雰囲気に流されないようにしてほしい。この手の連中は、入学時には「勉強よりも大事なことがある」と部活や行事を優先し、受験が間近に迫って「勉強に勝るものはない」と態度を改めるのである。

このやり方で点数が取れないのなら私は何も言わない。おそらく合格点を取れない生徒はこの5分の1の量(努力)もやれてないのではなかろうか。また「中学生だから少なくてもいいよね」ということにはならない。人生において最も記憶力の良い時期に、それを使わないのは宝の持ち腐れである。変に「中学生らしさ」を装う必要はない。行けるときに行ける限り、どんどん先へと行けばよい。

とにかく、まず自分の意志でやることである。やらされているという感覚では効果は半減する。先生に怒られるからや、ノルマや義務としての勉強になってはならない。また、暗記の効率を上げる方法はあっても暗記を回避する方法はないのである。下手な考え休むに似たりで、あれこれ考えるよりは一歩一歩着実に歩を進めることである。

人間怖いと思えば平地に一歩踏み出すのだって怖い。生徒によってはこの程度の単語の暗記が絶望のように感ずるかもしれない。しかし、実際には千尋の谷を背にして絶壁をよじ上っているわけではなく、平地に転がる小石に躓いてよろめいただけである。よって、多少ぐらついても体勢を立て直してまた足を踏み出せばよいのだ。歩く意志のある者には、私は喜んで手を差し伸べる。

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