土曜の牛の日
「土用の丑の日」のその翌日に、ウナギを食べた。売れ残りだろうか、イトーヨーカドーで半額だったので数年ぶりに食べてみた。たまたま小骨が多いウナギを引き当てたのか、私の顎の筋肉が老化で弱っているのか分からないが、小骨が気になってよく味わえなかった。ただ、付いてきた「タレ」だけは昔と変わらず美味かった。
高校生くらいまで、なぜ土曜日ではない日に、しかも牛肉ではなく鰻を食べなければならないのか不思議だった。裏面にひっくり返したときの(皮ブヨブヨの)気持ち悪さもさることながら、山椒やらタレやらで所詮ごまかさなければ食えないゲテモノにしか思えなかった。なのでウナギ自身にさほど魅力はなく、むしろ付いてくるタレが主役だった。それだけで白飯を2,3杯は掻き込めた気がする。
ウナギは英語でeelと言う。英米人はグロテスクな魚介類は「食べられない」という固定観念があるからか、さほど関心がないらしい。なので、アナゴ、ハモ、ウツボなど長い魚は十把一絡げにしてeelで済ませてしまう。ワカメ、昆布、海苔などをsea weed「海の草」とまとめて呼ぶのと同じ心理である。
高1高2で三者面談を行っている。この猛暑の中、保護者の方には足を運んでもらって申し訳ない。近場ならまだしも、むしろ遠方に住まう生徒がけっこう多いのでなおさらである。来ていただくからには、なるべく包み隠さず正確に現状の英語力や今後の見通しなどお話できればと思う。ある授業で、「こちらから伺っても構わないよ」と(冗談で)言うと、満場一致で苦笑い(拒否)されてしまった。
家庭訪問(というか勉強部屋訪問)も意外とありかと思うのだが、おそらく生徒によっては足の踏み場もないような部屋もあるかもしれない。私が丹精込めて作ったプリントがクシャクシャに踏まれて散らばったりしていたらショックで泣く。というか、たとえ普段そうだとしても、気を遣って私の来る前に片付けてほしい。
最悪な部屋の場合、鼻を刺すような異臭が放ち、ゴキブリがあちこち徘徊し、カメムシが壁に鎮座している。机に目をやると、腐ったパンや飲みかけのペットボトルにはハエがたかっている。部屋の隅には脱ぎ捨てられた服の山があり、それをどけると何かしらの白骨死体が見つかる。そして私は震える手で警察に電話をする。すると突然、「見ましたね・・・」という声が背中越しに聞こえる。恐る恐る振り返ると、生徒が鬼のような形相で立っている。その手には包丁が握られている。
バカらしい。妄想が膨らみ過ぎて、もはや夏のB級ホラーである。とは言え、一応念のため、面談は塾に限ろうと思う。
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