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2019年10月20日 (日)

トライ熱

ラグビーワールドカップの様に、このブログにも熱狂的なファンがわんさかいる…ことはないのだが、仮に少しでも心待ちにしてくれている方がいるのなら、更新が長らく滞っていて申し訳ない。「本職である授業やその準備に精を出すあまり、ブログを書く時間がないんだろうな」と思っていてくれたら嬉しい。

日本の活躍が続くラグビーワールドカップであるが、実施期間はおよそ2か月と意外に長い。私の住む調布駅周辺も東京スタジアムが近いということもあって多くの外国人サポーターを見かける。私が帰宅する深夜になると、しっかりと酒の入った外国人たちが奇声をあげたりタックルしあっていたりと、ラグビーワールドカップという前提がなければ、カナダの治安の悪い地区(だいたいチャイナタウン付近)のようである。リュックをひったくられたり、マリファナ中毒者に追いかけられたりしたのを何となく思い出した。個人的には、地元開催でそれに呼応して盛り上がるというよりも、なるべく早く終わって静かな日常に戻ってほしいという気持ちの方が強い。

ラグビーのルールそのものにも気にくわない点がある。ボールを敵陣に持ち込んで地面に付ける得点の方法を「トライ」と言うが、トライの意味する「挑戦・試み」とは得点までの過程にこそあるわけであって、なぜその結果であるゴールが「トライ」なのか!とイライラしていると、奥さんに「トライの由来:昔はトライだけでは得点にはならなかった。あくまでキック・ゴールにトライ(挑戦)する機会が与えられただけであった」というWikipediaのページをスマホで見せられて、「ううう…」と怒りのやり場を失って苦悶する。

それから数日が経って、私の消沈していたラグビーへの怒りの炎は、再び「トライ」にロックオンして大きく燃え始めた。知恵を絞って(?)いざリベンジの時である。呆れずに聞いてほしい。トライ(try)は英語の語源的には数字の「3」を意味する。なのでトライで3点入るのなら分かるのだが、なぜに5点も入ってしまうのか! 日頃授業で、「tryをトゥリーと読んでごらん。トゥリー、トゥリー、スリー。ほら、threeになるよね」と(しょうもないことを)照れながら言っていた私が嘘つきみたいではないか!といった感じである。ご承知の通り、もはや怒ること自体が目的と化してしまい、もはや言ってることは無茶苦茶である。

もう少し語源の部分をちゃんと説明するならば、まず、-tri-は「3」を表す。triangle(三角形), triathlon(トライアスロン), triceratops(トリケラトプス:角が3本の恐竜) なども同じく「3」を意味する-tri-が含まれている。次に、tryには元々「裁く」という意味があり、それはtryの名詞がtrial(裁判)ということからも分かる。それでは、なぜ「裁く」や「裁判」が「3」と結びつくのか? 察しのいい人ならすぐ気付くかもしれないが、単純に「裁く人間(裁判官)が3人だった」というそれだけのことである。ローマ時代の末期に「三頭政治」という政治体制があり、3人の有力者とその一族によってローマ国内は牛耳られていた。そして彼らの支配は、政治や経済だけではなく「司法(裁判)」にも及んでいたというわけである。

ともっともらしく説明してみたが、現代の英語話者がtryという単語を使う際に一々こんなことを考えているはずがないのであり、またラグビーのトライのように元々の意味を失って記号化されたものなど、英語に限らず日本語も含めて数知れずである。語源はあくまで意味を掴むヒントでしかなく、現在使われている意味に必ずしも大きく影響を残しているわけではない。なので固執しすぎるのはよろしくないが、知っていれば英単語を覚えることが何倍も楽しくなる。

それでは「個別教室のト〇イ」の「トライ」はどうだろう?素直に考えれば命令文で「やってみて!」ということだ。以前は生徒一人に教師一人という「完全1:1」をうたって他と差別化していたはずなのに、いつの間にか「1:2」のコースを売りにしているみたいである。確かに近くの教室の看板をよく見ると「個別教室のト〇イ+」と後ろに「+」が付いていた。昔カナダの「1ドルショップ」に、1ドルより高い品が紛らわしく並んでいたので店員に文句を言ったことがある。すると外の看板を指さされ、「1$+」と書いてあったのを思い出した。もし実際に「1:2」だったとして、それを非難するつもりは全くない。むしろ足せば、語源通り「3」になるので、私としては腑に落ちてうれしい。

 

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コメント

>このブログにも熱狂的なファン

関西の地より心待ちにしている人間がいることをお伝えしておきますw

河田君、お久しぶり!変なコメントが続いたので、自動的にアップされる機能をOFFにしていました。今はどこに住んでいるのですか?正月に帰省した時に河田君に会えたらなあとも思ったのですが、いきなり連絡するのもまずかろうということで結局連絡できませんでした。いろいろ話したいことや聞きたい話もたくさんあります!

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